この文章は、私が電気用品安全法について調べたものを、一般の方(反対運動に参加されたい方)向けにまとめたものです。ですから、事業主の方などにとっては不十分な内容となっております。事業主の方、もしくは、正確な情報が必要な方は、経済産業省などが発行したパンフレットなどをご覧下さい。できるだけ正確なものとなるよう注意は払いましたが、誤りなどがありましたらご容赦下さい。また、状況の変化は速いので、常に最新の情報にご注意下さい。
要するに、2006年4月から、多くの電気製品が、中古で買えなくなってしまうのです。「電気用品安全法」では、電気製品に「PSEマーク」を貼ることを義務付けていますが、5年以上前の製品にはついていません。そして、4月、その移行期間が終了してしまい、中古販売が規制されてしまうのです。
PSE法に関しては、電気製品は、次の3種類に分けられます。
[1]特定電気用品…………………………菱形PSE……コンセントやヒーターなど(112品目)
[2]特定電気用品以外の電気用品………丸型PSE……冷蔵庫や電子楽器など(340品目)
[3]PSE法とは無関係な電気製品……PSEなし……パソコンなど
ここで、PSE法の対象になるのは、[1]と[2]です。[3]は原則関係ありません。[1]の製品には、いわゆる菱形PSEマークがつき、[2]の製品には、丸型PSEマークがつきます。対象製品は、表にまとめられており(品目指定)、表に掲載されていないものは、PSE法の対象外です。(いわゆるポジティブ・リスト方式)
なお、コンセント接続のものが対象になります。電池駆動のもの、ACアダプタ経由のものの本体部分は、原則、対象外です。ACアダプタ部分は、今年4月には問題とならず、再来年4月に問題となります。
| 特定電気用品 | 昔の (旧甲種) |
製造者が検査 +認定検査機関が検査 |
コンセントやヒーターなど (112品目) |
|
|---|---|---|---|---|
| 特定電気用品以外の電気用品 | 昔の (旧乙種) |
製造者が検査 | 冷蔵庫や電子楽器など (338品目) |
|
| PSE法とは 無関係な電気製品 | ― | ― | ― | パソコンなど(品目指定されていないもの全て) |
要するに、「事業を行う者」が対象電気用品を販売することが規制されるのです。
[1]まず、販売(か販売目的陳列)でなければなりません。
[2]また、(製造・輸入・販売の)事業としてでなければなりません。これには、一般に、反復・継続性が要求されるでしょう。もっとも、将来に繰り返し行う目的で、最初の1回行えば、事業といえると思われます。
法律の施行は、2001年4月です。しかし、すぐにに規制を行うことは無理なため、猶予期間として、5年から10年の期間が定められています。製品によって、期間は違います。対象製品の表に記載があります。
猶予期間の間は、PSEマークをつけなければ、製品を製造できないものの、マークなしの在庫品を販売したり、マークなしの中古品を販売したりすることができます。
今回(2006年4月)は、この、最初の(5年の)猶予期限切れにあたります。ほとんどの製品の猶予期間は5年ですし、また、特に中古製品にとっては、5年(製造に関する猶予を考えれば4年)という期間は短すぎます。そのため、今回が一番混乱が大きいでしょう。
対象になります。法文には明文で載っていませんが、経済産業省がそのような見解を発表しています。たとえ、PSE法施行前に作られた製品であっても、PSEマークを貼っていなければ、売買できなくなります。
昔の製品には、「〒」マークや、「Sマーク」などがついている場合があります。しかし、これらの安全基準に適合した製品でも、PSEマークがついていなければ、全く売買できなくなってしまうのです。
この点、製品が「菱形PSE」か「丸型PSE」かによって違ってきます。丸型PSEは、製造時業者が届出をして、適切に製品を管理すれば、それだけで構いません。菱形PSEは、それに加え、1台を「JET」のような認定検査機関でテストしてもらわなければいけません。
但し、この説明は、あくまで、新規に製品を製造する場合です。肝心の中古品販売・修理に関してですが、どのような手続きが必要なのかは今のところ不明です。中古品を売買する方法は全くないという意見もあります。(新聞に載っている記事や、一部の中古業者が行っている措置ですら、正確な解釈に基づくものかは不明です。)PSE法は、本来、中古品を考慮に入れずに制定されたであろう法律なので、そもそも、中古品や修理に関して、一貫した解釈を見つけようとすること自体、無理があるのではないでしょうか。
罰則はあります。例えば、PSEマーク偽装表示や、PSEマークなしの電気用品販売は、一年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、又は両方の併科になります。さらに、法人の従業員などが犯した場合は、これに加え更に、法人にも罰金が科されます。
正確なところは、法律をお読み下さい。法57条・58条が、行為を行った「自然人」に対する規定、59条が、「法人」に対する規定(両罰規定といいます)です。
会計処理がどうなっているのか、インターネット上で話題になっているため、一項設けました。正確な点につきましては、財務省・税務署等へお問い合わせ下さい。
一部に、企業の会計処理に影響を与えるとの説がありますが、基本的には、影響はないはずです。「使うこと」はできるのですから、普通どおりに耐用年数を通じて、残存価額まで減価償却をする点に変わりはありません。違いが出てくるのは、「捨てるとき」です。除却損やら廃棄損やらで処理することになるでしょう。
真偽のほどは分かりませんが、固定資産税については、減免はないとの情報があります。税額の算出方法からして、私も減免は厳しいように感じます。
正確なところはまだ調査中です。「在庫が禁制品になってしまった場合」など、正直、どの本を見ても書いてありません。しかし、常識的な考えをすれば、おそらく、特別損失にでもなるのでしょう。
電気製品の安全確保は、戦前は、電気用品取締規則、戦後は、電気用品取締法によって行われてきました。
1968(昭43)年以降は、電気用品(電気製品全てではない)は「甲種電気用品」と「乙種電気用品」とに分かれました。 〒マーク(郵政マーク・ティーマーク)がついている、電気製品をご覧になった方も多いと思いますが、三角形に〒マークがついているのが甲種、丸に〒マークがついているのが乙種です。甲種は、政府の型式認可を受けなければなりませんでした。また、乙種は、製造事業者が安全性を自己確認しなければなりませんでした。
その後、甲種品目の多くが、徐々に乙種に移されていきました。
1995(平7)年には、乙種は廃止されました。つまり、乙種製品だったものは、製品の安全性確認に関する義務をなくしてしまったのです。代わりに、製造事業者が任意に、JETなどの第三者機関に、製品の安全性を確認してもらう「Sマーク」が生まれました。
そして、2001(平13)年、「電気用品取締法」は「電気用品安全法」に衣替えしました。近年の規制緩和の流れで、甲種製品を菱形PSEに、95年以前の乙種製品を丸型PSEに移行させることになったわけです。理由付けとしては@安全性技術の向上A非関税障壁の撤廃の2つです。もっともこのうち最大の理由は、国際標準にあわせ、非関税障壁を撤廃することにあったといえましょう。〒マークとどこが違うかといえば、甲種=菱形製品の安全性確認を政府が行うのではなく、民間の「認定検査機関」が行うことになったわけです。乙種=丸型製品は、マークづけが再び義務化されました。Sマークは、丸PSEより高い安全性を担保するものとして、いまなお有用であり、そのまま残されます。
2002〜2004年まで(品目によって違う)に、〒マーク表示の製品は製造が打ち切られ、PSEマークにとって変わられます。そして、前述のとおり、2006〜2011年までに販売が禁止されます。
意外かもしれませんが、火災は、消防庁の統計では、年に数千件起こっているそうです。その他にも、感電や機械系の事故などもあります。プラグをコードから引っ張ったりしていませんか?ただ、製品の欠陥のほかに、使用者のミス、設置ミス、または複合ミスもあります。新品/中古品、PSE製品/〒マーク製品の間で、どの程度事故の頻度が違ってくるのかはわかりません。
また、PSEマークより〒マークの法が(心理的な)安心感があるというのが、普通の国民の感覚ではないでしょうか。少なくとも、規制内容がほぼ同じなのですから、PSEマークと〒マークの間の安全性は、ほとんど変わらないはずです。
電気用品安全法は、製品安全4法のうちのひとつとされています。製品安全4法とは、@消費生活用製品安全法A液化石油ガスの保安の確保および取引の適正化に関する法律Bガス事業法C電気用品安全法の4つをさします。それぞれ、順に@PSCAPSLPGBPSTGCPSEマークで規制されます。それぞれ、似たような枠組みで規制が行われています。
PL法(製造物責任法)は、製造物によって事故が起こったときの、製造業者などの無過失責任を規定したものです。実は、販売業者も民法上の責任(不法行為責任・瑕疵担保責任・債務不履行責任)を負わないといけないのですが、責任を問う相手方、責任の範囲や過失の必要性などで、違いがあるのです。どちらかといえば、PL法の責任の方が重くなっています。(転売されても責任を負う・拡大損害のみ・過失がなくても責任を問われる)
なぜ電安法反対運動と関係があるかといいますと、もし、販売店が自分の名前を出してPSEマークを貼ってしまいますと、販売店は、「表示製造業者」「実質的製造業者」にあたってしまい、PL法上の責任まで負わなければならないからです。製造業者と紛らわしい表示をしたなら、その表示を信頼してくれた人に対しては、製造業者と同じ責任を負うのは当然ですよね。
その他、電安法と、商標・特許などとの関係の問題が騒がれています。PSEマークをつければ、製造にあたり、その製品を最初に作ったメーカーの権利を侵害するのではないかということです。私は、知的財産には詳しくないので、ご容赦下さい。
国際的には、IEC(国際電気標準会議)の定める基準が、スタンダードになっています。もっとも、電気製品事情は、国によって様々で、普通は、IECに国ごとのバリエーション(デビエーションといいます)を付加したものを、各国が採用しています。そして、日本でも、「電気用品の技術上の基準を定める省令」て、このIECへのすりあわせが行われています。
ちなみに、CEマークというものが、電気製品の裏側に貼られていることがありますが、これは、欧州のEN規格に基づくものです。EN規格も、IECをベースにしているとのことです。
アメリカでは、民間のULマークが、事実上、権威を持っています。一部の州では、ULを義務付けているとのことです。
期限は、刻々と迫っています。1日遅れれば、それだけ被害は拡大します。とりあえず、5年の猶予期間を延長してもらうことが最優先課題でしょう。
猶予後に、どのような改正を求めるかについては、大きく分けて2つの系統があり、1つ目は、音楽・ゲーム機のみを、品目指定から除外してもらう方法、2つ目は、中古品を包括的に除外する方法で、いくつものバリエーションがあります。いずれの方法も、長短がありますが、適切な方法を組み合わせることにより、よい結果が生み出せるものと確信しています。長くなるので、詳しくは、別のレポートにまとめようと思っています。
また、法・政令改正の際には、消費者の安全を保護する視点や、法的安定性の視点も、当然、忘れてはなりません。しかし、一方で、安全・法制面ばかりに囚われ、社会生活における妥当性を無視してしまうのも、適当な態度ではないでしょう。上手な舵取りが求められます。
電気製品による出火・感電などの事故は、我々が思っている以上に起こっています。ですから、消費者保護・安全性の観点から何らかの規制は必要です。しかし、中古品の取り扱いに関しては、国民の文化生活・経済生活実態を、完全に無視したものであり、その点については、十分に再検討の必要がある法律だと考えます。いくら安全のためだといっても、立法目的と手段との必要性・合理性に欠ける規制が許されていいわけではありません。また、電気製品の安全確保に自己責任の視点を導入した点についても、賛否両論考えられまし、それに加え、将来においては、「電気用品が一定時間経つと動作しなくなるタイマー」(タイムスタンプ)の導入が検討されているとのうわさがあり、下手をすると、今回のことが、このタイマー導入への布石となりかねないでしょう。
■ 更新履歴
(2006.03.09) 第1版 byびんもょうたん氏
(2006.03.12) 第2版 byびんもょうたん氏
(2006.03.13) 転載 byOFFスレpart4 461
(2006.03.13) 「4月までに何をすればいい?」の項を分離、リンク追加 byOFFスレpart4
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■ PSE法反対運動のための基礎知識(PDF版)
上のページをPDF形式にまとめたものです。 ダウンロードや、印刷用にお使い下さい。
第1版には、3月10日の説明会の結果は反映されていませんが、
6ページなので、印刷代節約に便利です。
◆基礎知識(PDF版)第1版(PDF・271kB・2006.03.09)
◆基礎知識(PDF版)第2版(PDF・231kB・2006.03.11)
すでに対策は取られていると思いますので、そのままで結構です。ただ、中小の家電販売店には、まだ、PSE非対応品の在庫が残っている可能性があります。法令順守の観点からは、3月中に売り切ってしまうべきでしょう。
今回、一番困っているのが、リサイクル業者さんのはずです。リサイクル業者さんの連絡組織立ち上げや集会などがあると思いますので、「誰かやってくれる」などと思わずに、積極的に参加して下さい。
さて、私の意見ですが、「下手に動かない方がいい」と思います。
3月10日に、経済産業省の説明を聞きました。その際に、販売業者がPSEマークをどのようにつけたらいいかにについて、次のような事例を提示されました。(「この方法が正しいという意味ではなく、このようなことが行われている。」という趣旨のようです。)
[1]検査機関に持ち込んで検査をしてもらう。(但し、1品物は壊れてしまうので、販売業者向けではない。)
[2]Sマークがついているんだから、PSEマークをつけてしまう。
[3](いい方法ではないと前置きした上で)超一流メーカーの製品であって、販売店で責任を取れるなら、PSEマークをつけてしまう。
[2]・[3]は、はっきりいって、違法です。それどころか、ニセPSEマークが氾濫します。消費者はどうすればいいのでしょうか。絶対やらないで下さい。(公開の場でこのような発言をされた経済産業省の良識を疑います。)しばらくすれば、「[2][3]の方法はとらないでくれ」と、通達が出ることは見え見えです。これらのことをやる位なら、最初から、PSEマークのついていない製品をそのまま売ってしまった方が、よほど利口だし、社会正義のためにもなるでしょう。
まだ、法令改正運動は続いています。違法なことであることは承知の上で、あえて言わせていただきます。そのまま、営業をお続け下さい。廃業や首吊りは、逮捕されてからでも遅くはありません。
4月以降もこっそり販売する業者さんも多いと思いますし、オークションという手段も残されていますが、手に入りづらくなる可能性は高いため、本当に必要なものが品目指定に含まれていれば、3月中に買っておきましょう。今、安値なのか高値なのかは分かりません。ただ、パニック買いをして損をしないように気をつけて下さい。
あと、ふざけ半分で、リサイクルショップを警察に「チクる」ような行為は、人間として最低だと思います。もちろん、これをお読みの方はこんなことはされないと思いますが。
今のうちに対処すれば、大した労力がかからない上、傷口が広がらないで済みます。もちろん、パニックは禁物ですが、地道な働きかけは有効なはずです。今こそ、市民の側から何らかのアクションを起こすべきでしょう。
◆PSE法(電気用品安全法)の改正を求めます。 [ 活動協力のお願い ]
もともと署名運動のために作られたサイトですが、 デモや集会など各種運動の告知に関して実質、本拠地的なサイトになっています。上記のリンクは「活動協力のお願い」ページに直行します。OFF会や街頭署名運動の告知・連絡用掲示板はこちら。サイトのトップページはこちら。
| 電気用品安全法の改正を求めます | 実質的に運動の中心的なサイトになっています。 様々な集会/デモ/OFFなどの情報が載っています。 メディアに報道された規模の大きい集会等もあります。 |
| 電気用品安全法@2chまとめ | 2ちゃんねる掲示板の利用者を中心に更新されるまとめwikiサイトです。 もっとも情報が豊富で、まとまっておりメディア掲載の情報なども早いです。 |
| 電気用品安全法に反対します(AntiPSE ) | ビラやポスター配布が主です。 |
| 電気用品安全法(PSE)関連ミラー保存サイト | 各種報道やHPのログを保存、公開しています。 |
| 経済産業省(電気用品安全法のページ) | 経済産業省の電安法ページです。法令、通達もここで読めます。 |
| 電気用品を販売される事業者の皆様へ (経済産業省商務情報政策局製品安全課) |
dhjm01.jpg dhjm02.jpg dhjm03.jpg dhjm04.jpg |
|---|---|
| 電気用品の製造事業者の皆様へ (関東経済産業局製品安全室) |
dsm01.jpg dsm02.jpg |
| タイトル | 配布元 形式 | 説明 |
|---|---|---|
| Product Safety 製品安全 | 中部経済産業局 PDF(859kB) |
製品安全4法についての概要説明です。 |
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製造と輸入 (訂正分) |
JET PDF(859kB・27kB) |
製造・輸入事業者向けのパンフレットです。 |
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販売事業者の皆さん、電気用品の表示が変わりました。
(訂正分) |
JET PDF(3096kB・19kB) |
(新品の)販売事業者向けのパンフレットです。 |
| 安全な電気製品を選ぶのはあなた自身です。 | JET PDF(785kB) |
消費者向けのパンフレットです。一番分かりやすいので、 一番最初にこれを読むといいでしょう。 |